1. 特定健康診査(特定健診)とは?
企業の総務担当者として、従業員の健康管理をどのようにサポートしていますか?
特に40歳以上の従業員がいる企業では、特定健康診査(以下、特定健診)の受診率向上が大きな課題の一つです。
特定健診は、生活習慣病の予防・早期発見を目的とした健康診断で、企業が加入する健康保険組合(健保組合)や協会けんぽが実施しています。
2021年度のデータを見ると、
*対象者数:約5,380万人
*受診者数:約3,039万人
*実施率:56.5%(約4割が未受診)
と、未受診の人が多いのが現状です。
「健康診断は受けているから大丈夫」と思われがちですが、特定健診の目的は通常の健康診断とは異なり、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)による生活習慣病リスクを早期に発見し、重症化を防ぐことにあります。
企業がこの特定健診の受診率を上げることは、従業員の健康維持はもちろん、企業全体の経営リスク軽減にも直結するのです。
2. 健康保険組合の財政悪化が企業と従業員に及ぼす影響
特定健診の受診率が低いと、企業と従業員にどのような影響があるのでしょうか?
① 医療費負担の増加 → 企業と従業員の保険料負担アップ
健康保険組合(健保組合)の財政は、従業員と企業が支払う健康保険料で成り立っています。
しかし、生活習慣病の増加により医療費が膨らむと、
▶ 健康保険組合の財政が悪化
▶ 企業と従業員の保険料負担が増加
という悪循環が生まれます。
特に中小企業では、健保組合ではなく協会けんぽに加入しているケースも多いですが、協会けんぽの保険料率も毎年上昇傾向にあります。
② 生産性の低下(プレゼンティーズム・アブセンティーズム)
健康診断で異常が見つかっても、特定保健指導を受けずに放置すると、
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
といった生活習慣病が進行し、医療費だけでなく業務効率も低下します。
▶ プレゼンティーズム(出勤しているが体調不良で生産性が落ちる)
▶ アブセンティーズム(病気が悪化し、休職・離職につながる)
結果として、企業にとって労働力の低下や人手不足が問題となります。
③ 企業のイメージ低下と採用競争力の低下
最近では「健康経営優良法人」として健康経営に取り組む企業が増えています。
これにより、健康対策に積極的な企業は、優秀な人材を確保しやすくなるのです。
逆に、健康管理が不十分な企業は、「社員を大切にしない企業」とみなされ、求職者から敬遠されるリスクもあります。
3. 企業が今すぐできる特定健診の受診率向上施策
では、どうすれば企業として特定健診の受診率を上げることができるのでしょうか?
実は、総務担当者が少し工夫するだけで、受診率を向上させることが可能です。
① 社内広報で特定健診の重要性を伝える
従業員の多くは、「特定健診って何?普通の健康診断と何が違うの?」と思っている可能性があります。
▶ 社内ポスターやメルマガ、社内SNSなどで特定健診の情報を定期的に発信する
▶ 受診のメリット(体重5%減で健康数値が大幅改善!)を具体的に伝える
例:「体重5%減で血圧・血糖値・脂質が改善!まずは特定健診でリスクをチェック!」
② 受診しやすい環境づくり
▶ 就業時間内の受診を許可する(受診のハードルを下げる)
▶ 会社が費用を補助する(特にパート・アルバイトも対象にすると効果的)
▶ 健診機関と連携し、職場での出張健診を実施する
③ 受診者にインセンティブを提供
「受診すると特典がある」という仕組みにすると、受診率が上がりやすくなります。
▶ 受診者に健康ポイントを付与し、社内の福利厚生と交換できる仕組みを作る
▶ 社内表彰制度を導入(部署ごとの受診率を競わせる)
④ 特定保健指導の受診を「ダイエットプログラム」として訴求
「指導」と聞くと身構えてしまう従業員も多いですが、
「健康診断でメタボ予備軍と言われた方へ!体重5%減プログラム」といった形でアプローチすれば、ダイエット感覚で気軽に参加できるようになります。
4. 特定健診の受診率向上は、企業と従業員のWin-Win戦略
特定健診の受診率向上は、従業員の健康維持だけでなく、企業の医療費削減や生産性向上にも直結します。
✅ 企業のメリット
・健康保険料負担の抑制
・従業員の健康増進による生産性向上
・「健康経営」の取り組みによる企業イメージ向上
✅ 従業員のメリット
・生活習慣病の予防・健康寿命の延伸
・体重5%減で健康リスクを大幅に改善
総務担当者として、ぜひ社内で特定健診の重要性を提案し、受診率向上の施策を進めてみてください!